光速な日々(後編)


<注意>開設したばかりなので、書きかけの後半からです。前編も必ず書きますのでお待ちください。


充実した時間を送っていると高速で日々が過ぎていく。
長かった旅路も聖府エデンという最後の場所へと終わりを告げようとしていた。ルシにされた仲間6人がそろい、エデンの中枢地へと向かう。町中はカオス状態だった。これはあきらかにバルトアンデルスの陰謀だ。被害を食い止める為にも一刻も早くセントラルタワーにたどりつかねばならない。
グラン=パルスの獣が町中で乗り物や設備を破壊している中、橋脚エレベータはまだ使えるようだった。
ライトニングは急いでそれに乗り込んだ。2台ある中、一方にはファングが乗り込んでいるのが見えた。グラン=パルス出身の彼女だが、すっかりコクーンに馴染んでいることに感心を抱きながらエレベータのキーボードを操作していると背後にホープの気配があった。
「え…、こっちに?」
聞くまでもないことを口にしてしまうライトニングだった。エレベータは2台しかない。身長171センチの自分だが、ファングはそれより大柄だ。どちらかに二人入らなければならないなら、必然的にホープとライトニングがセットになってしまう。
それでも狭い密室で二人きりになると胸苦しさを感じてしまう。もちろんあの夜のことが頭から離れないからだ。こんな切迫した事情の中、自分はいったいなにを考えてるんだと頭の中では焦っている。もちろんそんなことは外には絶対に見せない。見せられるものかとライトニングは少し意地になっていた。
「すいません。二人きりになりたかったので」
 淡々と言うホープの言葉に、ライトニングの頭はさらに混乱した。いや、体積の問題なんだろと聞き返そうとした瞬間、キーボードに伸ばした手首が強くつかまれた。
「な、なにを…」
まだ操作は完了していなかった。早く移動せねばならないのに。抗おうとする前に唇をふさがれた。驚く間もなく、隙間を割ってホープの舌がライトニングの舌をからめとる。これでは声が出せない。つい先日の夜、まさぐられた体が余韻を覚えていて、唇だけで反応しているのも、ライトニングにとって我慢ならないことだった。
なんとか抵抗しようと足をふりあげようとした時、ホープの手がふくらはぎをなぞり、もう一方の手がいつのまにか胸元をまさぐっているのに気づいた。
「…っ、なにをしてるんだ、こんな時に! 状況がわかってるのか!」
手薄になった唇を強引に引き離し、ライトニングは思い切り怒鳴りつけた。
「こんな状況だからです。この先二度とこんな時間はないでしょう。二人っきりで会うなんてこと。その前に、最後に、あなたが欲しいんです」
あまりにもストレートなホープの言葉にライトニングは反発することばを失った。茫然としている間にもホープの手はあの夜のように衣服をはぎ取っていってしまう。いや、完全にはぎ取るつもりはないのだろう。服の合間からライトニング自身も知らなかった微熱の元を丹念にまさぐっている。ライトニングはしだいに息を乱している自分に気づいた。

続く
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